大手資源商社 トラフィグラ・グループの委託でロシア産のナフサを運んでいた石油タンカーが、イエメン沖を航行中にミサイルに被弾した。イエメンの親イラン武装組織フーシ派がタンカー「マーリン・ルアンダ」を攻撃したと表明。同組織による商船攻撃としてはこれまでで最も大規模なものとなった。
トラフィグラの広報担当者は「右舷の貨物タンク1基で火災が発生し、船内の消火装置を使って鎮火に当たっている」との声明を発表。「タンカーとの連絡は続いており、状況を慎重に監視している。同海域の軍艦による支援が進行中だ」と説明した。
積載していたロシア産ナフタは、主要7カ国(G7)の対ロシア制裁で設定された上限より低い価格で同社が購入したものだという。
石油価格の国際指標であるブレント原油は2カ月ぶり高値に上昇した。
英海軍によれば、この件ではすでに当局が対応し、航行中の船舶に注意を促した。海事情報会社のアンブリーによれば、イエメンのアデンから南東約89キロメートルの沖合で事件は起きた。
問題の地域と紅海南部では、数週間前からフーシ派が繰り返し商船を攻撃している。イスラエルとハマスの戦争が続く中、フーシ派はパレスチナとの連帯を示す行為として11月中旬以降、毎日のようにこの海域を航行中の船舶を攻撃。これを受けて一部の海運会社はこのルートを避け、貿易の流れに変化が生じている。
アンブリーによればこれより先、インド系企業が運航するパナマ船籍の船舶がロシア産原油を積載して航行中、近くでミサイルが爆発した。フーシ派のスポークスマンは先週、紅海を航行するロシアと中国の船は安全だとロシアのイズベスチヤ紙に語っていた。ロシアに寄港した後の船舶がこの海域で攻撃されるのは、これで3回目となった。
原題: Trafigura Oil Tanker on Fire After Houthi Strike Near Yemen (2)(抜粋)
(被弾したタンカーがロシア産ナフタを運んでいた情報を加えます)
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