イエメンを拠点とする武装組織フーシ派を屈服させることを意図した空爆により、米国とその同盟国は、親イラン武装組織のネットワークを意味する「抵抗の枢軸」を直接相手にすることになった。
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これはイランが数十年かけて描いてきた筋書きでもある。イランはこれまで、イスラエルと米国に反発する勢力のネットワークを構築しようとしてきた。しかし、フーシ派からパレスチナ自治区ガザのハマスやイスラム聖戦、レバノンのヒズボラ、イラクやシリアの民兵に至るまで、イランの影響力が及ぶ勢力がこれほど大規模に、かつ緊密に連携したことはかつてなかった。抵抗の枢軸の構成メンバーはハマスによるイスラエル急襲に乗じ、まさにその時が到来したと感じているはずだ。
この先の展開はイランだけでなく、米国との対決をいとわないフーシ派の指導者、アブドルマリク・フーシ氏(44)の存在にも大きく左右されるとみられる。同氏は汎(はん)イスラムの支配者になる運命だと信じており、世界の超大国である米国に挑むことはその実現に向けた一歩だとみている。イエメンの現・元当局者を含む約20人への取材で分かった。
海上輸送の要衝にまたがる地域で武力衝突が繰り広げられる中、フーシ派を支援してきたイランはここにきて投資の見返りを得ようとしている。
イエメンのフーシ派とは何者か、米英が軍事拠点を空爆-QuickTake
イエメンの研究者アドナン・アルガバルニ氏は「フーシ派はいまや抵抗の枢軸のゲームチェンジャーとなった」と話す。「イラン自身もフーシ派の実力に驚いている」という。
イランの地域戦略を研究してきたアナリストによれば、イランはフーシ派を思想的にも組織的にも、とりわけヒズボラといった他の枢軸メンバーと結びつけることに成功している。
イランはフーシ派に武器やミサイル技術、専門知識を提供するだけではない。前出のアルガバルニ氏によると、ヒズボラとイランの革命防衛隊の幹部は、指導者のフーシ氏が率い、指揮統制の役割を果たす「ジハディ評議会」の会合に参加している。
昨年10月7日のハマスによるイスラエル急襲後、枢軸による初の全面的な共闘においてフーシ派が果たした役割は、潜在的な「第二のヒズボラ」としての信頼を高める以上の成功を収めた。こう指摘するのはワシントン近東政策研究所のハニン・ガダール上級研究員だ。
それはまた、ヒズボラ指導者のナスララ師が長年唱えてきた枢軸メンバーによる「戦場と戦線における結束の実現」への一助ともなった。
ガダール氏は「彼らは国境をわれわれと同じようには見ていない」と指摘。10月7日以来、フーシ派がこれほど重要な役割を担っていることは、ヒズボラが再びイスラエルとの本格的な戦争に巻き込まれるのは避けたい思惑があるイランには役立っていると述べる。
イスラエルにとっては、イランとの争いは新たな局面を迎えている。イランの代理勢力が共闘態勢を強める中、とりわけフーシ派が長距離ミサイルやドローンを直接イスラエルに向けて発射し、紛争に加わった影響は大きい。
原題: Iran’s Decades-Long Bet Pays Off as Houthi Rebels Clash With US(抜粋)
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