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イラン84人死亡テロ、「イスラム国」が犯行声明…ガザ混乱に乗じて勢力拡大狙いか - 読売新聞オンライン

 【テヘラン=吉形祐司】イラン南東部ケルマンで84人が死亡したテロで、国営通信などは4日、イスラム教スンニ派の過激派組織「イスラム国」がSNS上で犯行声明を出したと報じた。実際に「イスラム国」の声明であれば、シーア派大国イランを攻撃すると同時に、パレスチナ自治区ガザの戦闘に伴う混乱に乗じて勢力拡大を狙っている可能性がある。

 国営通信がサイト上に掲載したアラビア語の声明によると、「殉教志願者(自爆テロ実行者)」の2人が自爆テロを起こした。声明は、大半がシーア派とみられる犠牲者を「不信心者」と呼ぶなど、シーア派を敵視する表現が使われていた。

 イラン政府は、テロで368人以上が死傷し、実行犯が2人だと発表していた。

 政府は声明に公式な反応を示していないが、5日にケルマンで開かれた犠牲者の追悼集会では、精鋭軍事組織「革命防衛隊」のホセイン・サラミ司令官が「イスラム国」に触れ、「戦うなら子どもや女性ではなく我々が相手だ」と批判した。エブラヒム・ライシ大統領も「イスラム国」に言及した。

 「イスラム国」は、2017年にはテヘランの国会議事堂と初代最高指導者ルホラ・ホメイニ師をまつる「イマーム・ホメイニ びょう 」を同時に襲撃し、イラン国内でテロを繰り返してきた。

 隣国イラクでは、03年に米軍の攻撃でサダム・フセイン政権が崩壊した後の混乱に乗じて勢力を拡大。シリアでも、11年の反政府デモを機に内戦に突入したのを受けて、同国の一部を支配下に置いた。

 今回は、ガザを巡る戦闘にからみ、イランの支援を受けた武装組織が、シリアやイラクでも米軍施設を攻撃するなど中東情勢が混乱する中で大規模テロを決行した可能性がある。勢力が衰えたとみられる「イスラム国」にとっては、復活へ向けた絶好の状況が生じている。

 また、今回のテロは、4年前に米軍の攻撃で殺害された革命防衛隊のガセム・スレイマニ氏の追悼式を標的とした。同氏は中東各地で反イスラエル・反米武装組織を育成する一方、イラクやシリアで頻繁にテロを起こしていた「イスラム国」の掃討でも成果を上げ、「イスラム国」の宿敵だった。

 イランの代理勢力が活動する地域で「イスラム国」が戦闘に加わるなどすれば、中東情勢がさらに 混沌こんとん とするのは確実だ。

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