フランク・ガードナーBBC安全保障担当編集委員、マル・カーシノBBC記者
紅海に展開するアメリカとイギリスの海軍が、12日と13日に相次いでイエメンの武装組織フーシ派の拠点をイエメン国内で攻撃したことをめぐり、ジョー・バイデン米大統領は13日、イラン政府に非公開の形で連絡をとったことを明かにした。
バイデン大統領はホワイトハウスで記者団に対して、イラン政府にメッセージを「プライベートな形で送った」と述べ、「こちらは準備万端だと自信をもっている」とも話した。それ以上の詳細については触れなかった。
アメリカ政府は、13日に実施した2日目の攻撃について、レーダー施設を標的にした「追加行動」だったと説明した。
イラン政府は、紅海でフーシ派が続ける船舶攻撃に自分たちは関与していないと主張する。ただし、フーシ派に武器を提供しているのはイランだと疑われているほか、フーシ派が船舶を正確に狙うにはイランが提供するインテリジェンスが不可欠だとアメリカは指摘する。
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英米両軍は12日未明、オーストラリアやカナダを含む西側諸国の協力を得て、イエメン国内のフーシ派拠点役30カ所を空爆した。米中央軍はその翌日、巡航ミサイル「トマホーク」を使い、イエメン国内にあるフーシ派のレーダー施設を攻撃したと明らかにした。
フーシ派の広報担当はロイター通信に、海運に影響を与える自分たちの能力に、特に大きい打撃は受けていないと話した。
フーシ派は、イエメンの少数派イスラム教シーア派の一派、ザイディ派に属する武装勢力。イエメン国民のほとんどは、フーシ派支配下の地域に住んでいる。首都サヌアや北部のほか、紅海沿岸もフーシ派の支配下にある。
西側諸国は公式見解として、フーシ派拠点に続けている空爆は、ガザでの戦争とはまったく別のことだと主張している。紅海を航行する商船にフーシ派が繰り返す一方的で容認しがたい攻撃に対して、「必要で相応の反応」をしているのだと、西側諸国は言う。
しかし、イエメンをはじめアラブ諸国での見方は、いささか異なる。
フーシ派はガザのイスラム組織ハマスやガザ住民との連帯を宣言しているだけに、アラブ諸国では、アメリカとイギリスがイスラエルの側に立ち、ガザでの戦争に参加したのだという受け止め方をしている。
「西側はネタニヤフ(イスラエル首相)の言いなりだ」という説さえある。
米英による一連の空爆が、フーシ派の動きを抑え込む可能性はまだある。船舶攻撃能力を短期的に減退させるのは確実だ。
しかし、米英の空爆が続けば続くほど、両国がイエメンを新たな舞台に、別の紛争に引きずり込まれる危険性も高くなる。
イエメンの内戦に介入したサウジアラビアは、8年以上かかってようやく離脱した。しかもその結果、フーシ派は以前より足場を固めている。
アメリカによると、世界の海運の約15%が紅海を通過する。これには、世界で取引される穀物の8%、海上輸送原油の12%、そして液化天然ガスの8%が含まれる。
アメリカによると、フーシ派はこれまでに紅海とアデン湾で計28回、民間船舶に攻撃やいやがらせを加えた。
一部の大手海運企業は、この海域での航行を中止。保険料は昨年12月上旬から10倍に上昇している。
ハマスは昨年10月7日にイスラエルを攻撃し、約1300人を殺害し、約240人を人質にした。これを受けて英米両政府は、イスラエル支援を表明している。
ハマスの攻撃を受けてイスラエルは、ガザ地区に空爆と地上部隊による軍事作戦を展開。ハマスが運営する現地の保健省によると、13日までにパレスチナ人2万3843人が殺され、さらに大勢が建物のがれきの下で死亡していると考えられている。
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