習近平氏「中国は和平交渉を促す」…ゼレンスキー大統領と電話会談 - 読売新聞オンライン

　【瀋陽＝川瀬大介】中国外務省によると、習近平（シージンピン）国家主席とウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は２６日、電話会談した。習氏はウクライナに特別代表を派遣する考えを示し、「ウクライナ危機の政治解決のため、各国と深く意思疎通していく」と述べた。両氏の会談は、ロシアのウクライナ侵略後初めて。

　発表によると、習氏は、中国が２月に発表した「１２項目の提案」に基づく中国の立場を説明した。同提案はロシアとウクライナの直接対話や停戦を呼びかけたもので、「中国の核心的な立場は和平交渉を促すことだ」と強調した。ただ、提案では露軍の撤退や全領土の返還に言及しておらず、ゼレンスキー氏は３月の本紙との単独インタビューで、「主権と領土の一体性の尊重が先だ」と述べ、懐疑的な見方を示していた。習氏は核戦争に反対する姿勢を示し、「各国は冷静さと抑制を保つべきだ」とも呼びかけた。

　ゼレンスキー氏は２６日、ＳＮＳに「習氏と長時間にわたって有意義な電話会談をした」と投稿した。全土からの露軍撤退などウクライナが提案している和平案への支持を働きかけたとみられる。不在になっていたウクライナの駐中国大使を任命したことも明らかにし「両国関係の発展の弾みになる」と期待感を表明した。

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