
【ロンドン=佐竹実】ノルウェーのノーベル賞委員会は7日、2022年のノーベル平和賞をウクライナとロシアの人権団体と、ベラルーシの人権活動家アレシ・ビャリャツキ氏に授与すると発表した。ロシアによるウクライナ侵攻で多くの人命が失われ、世界の安全保障が脅かされる中、平和と人権の維持に取り組む活動が評価された。
受賞が決まったのはビャリャツキ氏のほか、ウクライナの人権団体「市民自由センター(CCL)」とロシア人権団体「メモリアル」。レイスアンデルセン委員長は2団体1個人の受賞理由について、「平和と民主主義のための市民社会の重要性を体現した。アルフレッド・ノーベルがめざし、今の世界で最も求められている平和と友愛に再び活力を与えた」と述べた。
ノーベル賞委員会によると、ビャリャツキ氏はロシアの友好国であるベラルーシで1980年代に起きた民主化運動のリーダー的存在。政治犯に対する当局の拷問を記録し、抗議するなどの活動を続けてきた。当局に度々逮捕されており、現在も裁判を受けずに拘束されているという。レイスアンデルセン氏は同氏の早期釈放を強く求めた。
CCLは07年にウクライナの首都キーウ(キエフ)で設立された。レイスアンデルセン氏はCCLについて「22年2月のウクライナ侵攻後、ウクライナが国際刑事裁判所に加盟するよう積極的に働きかけた」と紹介した上で「ロシアのウクライナ市民に対する戦争犯罪の特定や記録に取り組んだ」と評価した。
メモリアルはソ連末期の1987年に創設され、1930年代の最高指導者スターリンによる大粛清で死亡した何百万人もの証拠を収集、記録する活動を出発点とする。人権擁護や政治弾圧の調査・告発で知られる。
ロシアの検察当局が21年、外国の資金援助を得て政治活動に携わるための義務を履行していないとしてメモリアルを起訴し、最高裁が解散を命じた。
授賞式は12月10日にノルウェーの首都オスロで開かれる。賞金1千万スウェーデンクローナ(約1億3千万円)は、2団体1個人で分ける。ノーベル賞委員会によると、22年の平和賞候補には251人と92団体の推薦があった。
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