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金星の大気中に生命の痕跡?特徴的な成分発見も生成源は未特定 - Engadget 日本版

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SCIEPRO via Getty Images

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英カーディフ大学などの天文学チームが、金星の大気中に生命が存在する証拠になりうるガス成分を発見したと発表しました。そのガス成分はリン原子1個と水素原子3個で構成されるホスフィン分子で、ホスフィンは地球上ではペンギンなどといった動物の体内微生物や湿地帯など非常に酸素の少ない環境に存在する微生物が生成する成分であるとのこと。

もちろん、人工的にホスフィンを生成することも可能ではあるものの、金星でそれが人工的に生成されているようなことはありえません。ましてペンギンが金星まで飛んでいって、そこで屁をしたわけでもありません。そして研究者らは、まだ誰も金星の地表から50kmも上空の大気成分にそれが含まれている理由を見つけることができていません。

チームは、ハワイ島マウナケア山頂にあるジェームズ・クラーク・マクスウェル望遠鏡を用いて金星大気中のホスフィンを発見し、さらにチリにあるアルマ望遠鏡(アタカマ大型ミリ波サブミリ波干渉計)でその存在を確認しました。

金星の大気は96%が二酸化炭素で構成されているうえ、地球に比べ太陽に近い軌道を周回しているため、地表温度は400℃を越えています。過去に金星に着陸した探査機はその地表で数分間だけ活動したのち故障しました。

とはいえ、地表から50kmもの高さなら、そこの温度は「シャツ1枚で過ごせる」ぐらいの気温に低下します。その場に微生物が存在することは可能かもしれません。またホスフィンは光で分解されるため、金星上空50kmでそれが見つかったのなら、どこかに供給源があるはずです。

チームのひとりで米マサチューセッツ工科大学(MIT)の生化学研究者でもあるウィリアム・ベインズ博士は、金星に存在すると予想される様々な化合物の組み合わせを研究し、火山や雷、さらには隕石などがホスフィンを生成する可能性を調べました。しかしそれらの化学反応は、観測された量のホスフィンを生み出すには弱すぎて説明がつかないとのことです。

今回の発見はあくまで「生命体が生成するはずの成分が金星の大気中に見つかった」というだけであり、生命そのものを発見したわけではありません。それでもこの発見によって金星に関する研究が活発化することになりそうです。

ちなみに、NASAは2030年代の実現を目指す大規模戦略科学ミッションの立案を科学者らに依頼しています。そのなかには金星の雲のなかを気球で観測するという提案もあるとのこと。もしかしたら、十数年後には、火星から生命発見の報が届いているかもしれません。

source:Nature Astronomy
via:BBC News

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