【香港=木原雄士】「逃亡犯条例」改正案をきっかけとする抗議活動が続く香港で15日、当局の許可を得ない大規模なデモ行進があった。少なくとも数万人が参加したとみられ、有権者が1人1票を投じる普通選挙の導入などを求めた。一部の若者らは火炎瓶を政府施設に投げ入れ、警察は催涙弾や放水砲で応戦した。抗議が収束に向かうかどうかはなお不透明だ。
参加者は香港島の繁華街、銅鑼湾(コーズウェイベイ)から中環(セントラル)まで行進した。警察の暴力行為を調べる独立委員会の設置や、普通選挙の導入など「五大要求」をすべて受け入れるよう政府に求めた。
一部の若者は地下鉄駅の施設を壊したり中国国旗を燃やしたりした。銅鑼湾の大型商業施設はデモ開始の前に閉店した。
15日のデモは6月以来、大規模デモを主催してきた民主派団体が計画した。警察は集会とデモ行進の双方を認めず、同団体は中止を決めた。だが、SNSではデモの実施が呼びかけられた。8月31日にも大規模な無許可デモが発生していた。
香港政府トップの林鄭月娥(キャリー・ラム)行政長官は4日に改正案の撤回を表明し、市民と対話を始める方針を発表した。それでも、警察の厳しい取り締まりなどに反発が強く、さまざまな抗議活動が続いている。
2019-09-15 09:29:00Z
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO49852500V10C19A9FF8000/
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