米大統領選の共和党候補指名争いで劣勢が鮮明となっているヘイリー元国連大使だが、今後も選挙戦を続ける意思を表明している。それを支えているはウォール街の大物たちからの支援だ。
23日のニューハンプシャー州予備選もトランプ前米大統領が勝利。指名獲得レース2連敗となったヘイリー氏に対しては、トランプ氏の支持者から撤退を求める圧力が増している。しかし、富裕層の献金者や富豪チャールズ・コーク氏が設立した保守系政治団体からの 支援により、ヘイリー氏には選挙戦を続けるだけの十分な資金力がある。
問題は、そうした資金がいつまで流入し続けるかだ。ウォール街の資産家であるスタンレー・ドラッケンミラー、ヘンリー・クラビス、ケン・ランゴーン、クリフ・アスネス各氏は30日にヘイリー氏向けの 資金調達イベントをニューヨークで開催する。もし、そうした大物支持者がヘイリー氏には勝利への道筋が見えないと判断して資金援助を打ち切ることになれば、同氏の選挙戦には事実上の終止符が打たれることになる。
ヘイリー氏の支持者で資金調達イベントの共催者でもあるシモーン・レビンソン氏は、勝負を諦めた献金者はまだ誰もいないと語る。またヘイリー氏陣営は、フロリダ州のデサンティス知事が選挙戦からの 撤退を表明してからの48時間で150万ドル(2億2000万円)を集めたとしている。
ヘイリー氏本人は23日夜、自身は「ファイター」であり、次の重要な戦いになるサウスカロライナ州の予備選での対決を楽しみにしていると語った。
しかし、前途は相当に厳しい。リアル・クリア・ポリティクスがまとめた世論調査平均によれば、トランプ氏は同州での支持率でヘイリー氏を30ポイント超リードしている。無党派層の比率が比較的高く有利とされたニューハンプシャー州でもトランプ氏に敗れたことで、ヘイリー氏がどの州なら勝てるのか疑問視する声は多い。今後の予備選は保守的な有権者が多い州が続く。
それでも「我々は臆することなく、屈することもない」と、ヘイリー氏の支持者であるエリック・レバイン氏は強気だ。ニューヨークでの資金調達イベントにも携わる同氏は「彼女が残る限り、我々も残る。どうなるか見てみようじゃないか」と語った。
原題: Rich Donors Keep Haley’s Run Afloat, Even If Voters Won’t (1)(抜粋)
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