太平洋の島国・ナウルが台湾と断交、中国と国交樹立へ…中国の財政支援を期待か - 読売新聞オンライン

　【台北＝園田将嗣、ジャカルタ＝川上大介】太平洋 島嶼（とうしょ） 国のナウル政府は１５日、台湾と断交し、中国と国交を樹立すると発表した。１３日の台湾総統選で中国が敵視する与党・民進党の 頼清徳（ライチンドォー） 副総統が初当選したことを受け、中国側がナウルに強く働きかけたとみられる。

　ナウル政府は発表で、断交の理由として「国民の最善の利益のためで、政策変更は発展の重要な最初の一歩だ」と説明した。中国の財政支援を期待している模様だ。中国外務省の 毛寧（マオニン） 副報道局長は１５日の記者会見で「決定を称賛し、歓迎する」と語った。

　台湾外交部（外務省）は「国際社会の秩序を損なうやり方で台湾を弾圧することを選んだ」と中国を批判した。在ナウルの出先機関職員を呼び戻し、台湾にあるナウルの出先機関の閉鎖を求めることも決めた。台湾と外交関係を持つ国は、１２か国となった。

　 ◆ナウル＝ 東京都品川区とほぼ同じ２１平方キロ・メートルに約１万２０００人が暮らす。太平洋戦争で日本が占領した。主要言語は英語やナウル語。長年、主要輸出品だったリン鉱石が枯渇し、目立った産業がないため、近年は観光にも力を入れている。

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