
画像提供, Reuters
ウクライナ有数の大富豪イーホル・コロモイスキー氏が2日、首都キーウの裁判所で、詐欺と資金洗浄(マネーロンダリング)の疑いのため、2カ月の勾留を命じられた。コロモイスキー被告はかつて、ウォロディミル・ゼレンスキー氏の支援者だった。
ウクライナ保安局(SBU)は、コロモイスキー被告が「2013年から2020年にかけて、支配下にある複数の金融機関を通じて、5億フリヴナ(約20億円)以上の違法資金を国外に送金し、合法化した」と起訴内容を発表した。
弁護団は、被告が保釈保証金は支払わず、裁判所の勾留命令について取り消しを請求すると発表した。被告はキーウの裁判所からSBU本部に連行され、そこで勾留されているという。
ゼレンスキー大統領は2日夜、毎晩定例の動画演説で、「ウクライナから盗み続け、自分たちを法律やあらゆるルールの上位に置いた者たちにとって、『これまで通り』のウクライナにはならない」と述べ、「何十年も保留になっていたすべての事件について正義を実現するため、ウクライナの司法当局が行動してくれることに感謝する。法の支配が勝たなくてはならない」と強調した。
「これからのウクライナではルールが変わると、だれもが感じている」とも、大統領は述べた。
ウクライナでは開戦前から、公務員の汚職問題が長年にはびこっていた。欧州連合(EU)への加盟を求めているウクライナにとって、汚職対策はEUから課せられている重要な要件のひとつ。他の西側機関も、ウクライナに汚職対策を要求している。
コロモイスキー氏は2014年、ドニプロペトロウシク州の知事に就任。ウクライナ東部でロシアが領土を奪おうとすると、ボランティア大隊への資金提供において重要な役割を果たした。
しかし、2021年にはアメリカ政府が同氏を、知事時代の「重大な汚職」を理由に制裁対象にした。同氏は不正を否定している。
コロモイスキー氏は、ウクライナでメディア、石油、銀行などに携わる裕福な実業家。所有するテレビ局は、ゼレンスキー氏が大統領を演じる政治コメディドラマ「国民のしもべ」を放送した。
2015年から2019年まで放送されたこのドラマで、「ウクライナを事実上支配する富豪たちと徹底的に闘う大統領」を演じたゼレンスキー氏は、一気に国民的なスターになり、大統領選出馬への足がかりを得た。コロモイスキー氏はその後、ゼレンスキー氏の大統領選への立候補を支援した。
2019年大統領選の最中、政治経験のないゼレンスキー氏は、現職ペトロ・ポロシェンコ大統領(当時)ら対立陣営から「コロモイスキーの操り人形」と攻撃され続けたが、ゼレンスキー氏はそれを否定。同年4月の決選投票で、ゼレンスキー氏は得票率73%で当選した。
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