フランスでは、マクロン政権が進める年金制度改革をめぐる法律について憲法評議会が14日大部分が合憲と判断したことで改革はことし9月から実施される見通しとなり、抗議活動やストライキは今後も続くとみられます。
フランスのマクロン政権は3月、年金の支給開始年齢を現在の62歳から64歳に引き上げるなどとする年金制度改革の法案を議会下院にあたる国民議会で投票を行わずに採択する措置に踏み切りました。
野党の議員らは、この法律は、労働者の権利を保障した憲法に違反しているなどとして、法律の合憲性を判断する憲法評議会に審査を委ねていました。
憲法評議会は14日、この法律について「持続可能な年金制度を保障するもので、憲法の趣旨に沿ったものだ」などとして大部分が合憲と判断しました。
これを受けて、法律はマクロン大統領が近く承認して公布され、年金制度改革は、予定どおりことし9月から実施される見通しとなりました。
憲法評議会の審査結果が出ると、パリでは各地で抗議活動が行われ、デモやストライキは今後も続くとみられます。
マクロン大統領は再選からまもなく1年となりますが、年金制度改革に対する抗議活動が広がるなか、今月公表された世論調査では大統領の支持率は28%と低迷しています。
審査結果受けパリの各地でデモ始まる
このうちパリの市庁舎の前では、数百人が集まり「われわれは怒っている」などと書かれたプラカードを手に抗議の声を上げていました。
52歳の派遣社員の男性は「憲法評議会は、最後の通過地点だっただけに結果には残念ですが、私たちは諦めないつもりです。まだ抗議を続けます」と話していました。
23歳の女子大学生は「3か月もデモを行っている数百万人もの人たちに正当性があるのは間違いありません。フランスの多数の人が改革に反対しています。これは、民主主義に関わる問題です」と話していました。
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