ロシアのプーチン大統領は2014年に一方的に併合したウクライナ南部のクリミア半島を訪問しました。
ウクライナへの軍事侵攻後初めてとみられ、ウクライナがクリミアの奪還も目指す中、ロシアの支配を強調するねらいがあるとみられます。
ウクライナ情勢ではICC=国際刑事裁判所が17日、ロシアが占領した地域から子どもたちをロシア側に移送したことをめぐり国際法上の戦争犯罪の疑いでプーチン大統領に逮捕状を出し、ロシア大統領府の報道官は「容認できない。ロシアは管轄権を認めておらず法律上の観点から無効だ」などと反発しています。
こうしたなか、ロシアの国営メディアは18日、プーチン大統領が、クリミアの軍港都市セバストポリを訪問したと伝えました。プーチン大統領は文化施設などを視察し、施設をあとにする際に車の運転席に乗り込む様子も伝えられました。
地元のロシア側のトップは「事前にオンライン会議と言われ準備していたが、突然、大統領みずから来た」とSNSに投稿しました。
2014年にロシアがクリミアを一方的に併合してから18日でちょうど9年になるのにあわせて訪問した形で、ウクライナ侵攻後初めてとみられます。
クリミアをめぐっては、ウクライナが奪還を目指す姿勢も強めていて、プーチン大統領としてはみずから訪問することでロシアの支配を強調するねらいがあるとみられます。
ロシア各地で政権側主催のイベント

このうちロシア極東の中心都市ウラジオストクでは、18日に州政府が主催するイベントが行われ、車のパレードや、コンサートなどが開かれました。
パレードでは、ロシアの国旗を掲げたりウクライナへの軍事侵攻を支持するシンボルとなっている「Z」マークのステッカーをつけたりした200台以上の車が参加しました。

参加した40代の男性は「戦闘地域から近い場所にいるクリミアの人たちは、直接的な危険にさらされているので、われわれはあらゆる活動で支援しなければならない」と話していました。
ウクライナ側がクリミアの奪還を目指すとする中プーチン政権としては各地でこのようなイベントを開くことで多くの国民がロシアによるクリミア支配を支持していると印象づける狙いがあるとみられます。
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