
中国の習近平(シー・チンピン)共産党総書記(69)が10日、全国人民代表大会(全人代、国会に相当)で国家主席に満票で選出されました。
習氏が共産党と軍に加え、国家のトップに立ち、3期目も統治を続けることをどう見るのか。
中国政治に詳しい慶応大学の加茂具樹教授に聞きました。
加茂具樹さん
かも・ともき 1972年生まれ。慶応大総合政策学部の学部長、教授。専門は現代中国の政治外交。著書に「現代中国政治と人民代表大会 人代の機能改革と『領導・被領導』関係の変化」(慶応義塾大学出版会)、「十年後の中国 不安全感のなかの大国」(一芸社)など。
――習氏の国家主席3選が決まりました。習指導部は5年前の全人代で憲法を改正し、それまで「2期10年」と決めていた国家主席の任期制限を撤廃していました。
既定路線だったとはいえ、国家主席3選は習指導部と習氏個人の統治のあり方を表す象徴的なできごとです。
習指導部は5年前の憲法改正の際、その理由について「共産党規約には党トップの総書記と党の軍トップの任期に上限の規定がなく、憲法にも国家の軍トップの任期に上限の規定はない。こうしたなかで国家主席についても任期の規定をなくすことは、習近平同志を核心とする党中央の権威と集中統一領導(指導)を擁護するうえで有効である」と説明していました。
満票での国家主席3選は、習氏の権力は強固だということを政治エリートたちや国内外に誇示する意味があります。これは、習氏の統治を完成させるための重要なステップだったといえます。
――習氏が絶大な権力を握る「1強体制」と言われますが、3期目以降も国のかじ取りを続けることは習氏が自分1人で決めたわけではなく、共産党指導部の総意だと見ていいでしょうか。
権威主義国家において、政治指導者は1人で国家を統治できません。政治指導者は自分を支えるエリートたちと権力を共有して国家を統治していると理解すべきです。
前国家主席の胡錦濤氏の時代と比較して、習氏に権力が集中してはいますが、政治指導者とエリートたちとの合意形成のプロセスを無視して政策決定が下されている、などと中国政治を単純に考えるべきではないでしょう。
権威主義国家の政治指導者は、その権力を維持するためには二つのゲームを勝ち続けなければいけないと言われています。
まずはエリートたちとの権力共有を実現する。そして、彼らをとりまく大衆との関係を安定させる。この二つの緊張した関係を、うまくマネージし緊張を緩和させることが、権威主義国家の体制の安定につながります。
3期目のキーパーソンは
――周囲を側近で固めたと言…
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