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焦点:中ロ首脳会談へ、対西側戦略で共通項 習氏は国内掌握に自信 - ロイター (Reuters Japan)

[ロンドン/北京 11日 ロイター] - 中国の習近平国家主席は新型コロナウイルスの感染拡大後、初の外遊となる今週の中央アジア訪問で、ロシアのプーチン大統領と会談する。中国指導者として異例の3期目入りを決める共産党大会を1カ月後に控えたこの時期に外遊に踏み切ったことは、習氏が国内での権力掌握に強い自信を持っていることを示している。

 中国の習近平国家主席は新型コロナウイルスの感染拡大後、初の外遊となる今週の中央アジア訪問で、ロシアのプーチン大統領と会談する。写真は北京で2月4日撮影(2022年 ロイター/Sputnik/Aleksey Druzhinin/Kremlin)

習氏は、14日にカザフスタンを訪問する予定。カザフスタンとロシア政府の発表によると、習氏はその後、ウズベキスタンのサマルカンドで開かれる上海協力機構(SCO)首脳会議に合わせてプーチン氏と会談する。ロシア政府は会談の詳細を明らかにしておらず、中国はまだ習氏の外遊日程を確認していない。

中ロ首脳会談は習氏にとって影響力を誇示する機会になり、プーチン氏にとってはアジア寄りの姿勢をアピールする場となる。

習氏に関する著作「レッドフラッグス」の著者であるジョージ・マグナス氏は「私見では、要するに習氏は、国内についていかに自信があるのかを示し、欧米の覇権主義に対抗する国々の国際的指導者だと見られたいのだ」と述べた。

「想像するに、習氏が最も気をもんでいるのは、プーチン氏が仕掛けた戦争がどうなっているのかという点や、実際にプーチン氏やロシアが近い将来に何らかの役割を担うのか、ということではないか。なぜなら 中国は依然として、ロシア政府による反西側のリーダーシップを必要としているからだ」と分析する。

台頭する超大国・中国と天然資源大国・ロシアの「無制限」なパートナーシップの深化は、近年で最も興味深い地政学的動きの1つで、西側諸国は不安な思いで成り行きを注視している。

1991年のソ連崩壊後、ロシアは中国にとって共産主義世界におけるパートナーとしての地位が低下。一方、中国は今後10年間で米国を抜き世界最大の経済規模になると予想されている。

中ロのパートナーシップは歴史的に多くの矛盾をはらんでいるが、ロシアの対西側関係が冷戦終結以降で最も冷え込む中、習氏がプーチンへの支援を取りやめる兆候はない。

むしろ69歳で同じ年齢の両首脳は関係を深めており、今年1─7月にロシアと中国の貿易額は3分の1近く急増した。

ニューサウスウェールズ大学(シドニー)のシニアレクチャー(政治・国際関係学)のアレクサンダー・コロレフ氏は、習氏の外遊について「中国がロシアと『これまで通りビジネス』を続けるだけでなく、明確な支援と、より強力な中ロ連携の形成を加速させる意思を持っていることを示している」と分析。「中国政府は、深刻なイメージ悪化や2次的な経済制裁の対象になるリスクに直面しても、ロシアから距離を置くつもりはない」と明言した。

<盤石の権力基盤>

習氏は10月16日の共産党大会でこれまでの慣行を破り、国家主席3期目入りを決める見通し。習氏は2013年の国家主席就任後にプーチン氏と38回直接会談しているが、21年に米大統領に就いたバイデン氏と直接会談したことはない。

習氏はロシアがウクライナに侵攻するわずか数週間前の今年2月4日、北京冬季五輪の開会式に合わせて訪中したプーチン氏と会談。両首脳は両国の「無制限」のパートナーシップなどを宣言した。

ロシアのウクライナ侵攻についても、中国はロシア批判を避け、ロシアに同調する形で「特別な軍事作戦」と称している。

東洋アフリカ研究学院(ロンドン)中国研究所のスティーブ・ツァン教授は、習の外遊について「習氏がプーチン氏を支持していることは明白であり、そこに大きなメッセージは含まれていない。より大きなシグナルは、習氏が党大会を控えて、パンデミック以来初めて中国から出国するということだ。もし、習氏に反旗を翻す動きが密かに進んでいるならば、それが表面化するのはこの時期だろう。習氏が国外に滞在するということは、こうした動きは起きないという確信があるのだろう」と指摘した。

<アジアに目向けるプーチン氏>

ロシアがウクライナ戦争で欧米から現代史上最も厳しい制裁を科されたことから、プーチン氏は、何世紀も欧米に目を向けていたロシアがアジアに視線を転じつつあると述べている。

プーチン氏の世界観は、米国主導の第2次世界大戦後の秩序に代わるのは、中国だという習氏の考えと一致する。

欧州はロシア産エネルギー輸入への依存からの脱却を図っており、プーチン氏は中国やアジアへのエネルギー輸出を強化しようとするだろう。

プーチン氏は先週、モンゴル経由で中国に天然ガスを輸送する主要ルートで合意したと発表。ロシアのガス大手・ガスプロムは、モンゴルを経由してロシアのガスを中国に送る新しい大規模パイプライン「パワー・オブ・シベリア2」の可能性について、何年も前から研究している。

同パイプラインの輸送量は年500億立方メートル。これは平時にロシアが欧州に輸送するガスの約3分の1、つまり「ノルドストリーム1」の年間輸送量に匹敵する。

(Guy Faulconbridge記者、Yew Lun Tian記者)

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