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女王の棺は空っぽ? イギリス人の疑問に答える - Newsweekjapan

<死去の日から10日以上も国中を引き回される棺に遺体が入っているはずがない、という「陰謀論」が広がるのには理由があった>

英エリザベス女王の死去(享年96)を受けて、世界中の指導者や一般市民がインターネット上で追悼の意を表す一方、ネットの一角では「女王の棺は空っぽでは」という「陰謀論」が盛り上がっている。

英王室のウェブサイトによれば、9月8日に亡くなったエリザベス女王の国葬は19日。その間、女王の棺はスコットランドでの儀式を経てロンドンに運ばれ、14日にバッキンガム宮殿からウェストミンスター宮殿へと運ばれた。一般市民の弔問も始まり、国葬の日の朝まで公開安置される。

【動画】過労?女王の棺を守る王室警備兵バッタリ倒れる

ネット上では、これだけ長い間あちこちに運ばれ、公開安置されている女王の棺のなかは、「本当は空っぽ」ではないかと疑う者もいる。

たとえばイギリスの子育て世代に人気の掲示板サイト「マムズネット」には14日、ある人物が「女王の遺体は実は別の場所に安置されている可能性があると聞いた」と投稿した。「何人もの人が、あの棺の中に女王はいないのではないかと言っている。女王の祖父の時もそうだった」1936年に亡くなったジョージ5世のことだ。

棺の公開安置は「形式的なものにすぎない」と主張

同掲示板サイトのユーザーからはさまざまな反応が寄せられた。

「私も、棺は空ではないかと思っていた」と、あるユーザーは言う。「女王の遺体をイギリスの端から端まで移送して、その全行程を各国のテレビが中継しているというのは、警備の観点からするとまさに悪夢だと思う。どこかのテロ組織が身代金目的で棺を奪おうと考えた場合、容易にそれができてしまう!」

別の人物は、この考えを「馬鹿げている!」と一蹴。「女王の遺体にはエンバーミング(防腐処理)が施され、棺には鉛の内張りが施されているから、とてつもなく重いんだ」と、強奪の可能性を否定した。

「亡くなった母親を、あんな風にあちこち連れ回させたい人がいるはずはない」と、疑うユーザーも。「あれは一般市民向けの形式的なもので、本物のご遺体は国葬の日まで安全な場所に保管されているんだ」

女王の遺体は既に埋葬済み、という説もある。ライフスタイルサイトの「The List(ザ・リスト)」によれば、女王の葬儀は非公開で行われ、棺が開けられることはない。さまざまな憶測を呼ぶゆえんだが、遺体をできる限り長期間保存するための措置だという。
棺はオーク製で、腐敗防止の処理が施された特注品。王室メンバーが死去した場合はこうした棺を使用するのが一般的だ。

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