【香港=木原雄士】香港のキャセイパシフィック航空は16日、ルパート・ホッグ最高経営責任者(CEO)と盧家培・最高顧客・商務責任者が19日付で辞任すると発表した。キャセイはパイロットを含む多くの職員が「逃亡犯条例」改正案に絡む香港の大規模デモに参加したとして、中国の航空当局が安全上の重大なリスクがあると警告していた。事実上の引責辞任とみられる。
後任のCEOにはキャセイと同じスワイヤグループの航空機整備会社、HAECOの鄧健栄CEOが就く。
ホッグ氏は声明で「過去数週間の困難な状況を考え、責任を取ることにした」と説明した。ジョン・スローサー会長は「最近の出来事はキャセイがコミットするフライトの安全性に疑問を抱かせ、会社の評判やブランドを落とした。信用を取り戻せる新しい経営陣に入れ替えるときだ」と指摘した。「一国二制度のもとでの香港を完全に支持する」とも付け加えた。
キャセイを巡っては中国民用航空局が9日、違法なデモにかかわった職員を中国本土便に乗務させないよう求め、中国の上空を飛ぶ場合でも乗務員の個人情報を提出するよう要求した。中国の国有企業もキャセイ便の利用をボイコットする動きをみせていた。
同社は子会社も含め中国に20以上の路線を持ち収入の約5割を香港・中国が占める。当局の出方次第では中国上空を飛ぶ欧州便にまで影響が及ぶため、株価が急落するなど懸念が広がっていた。
キャセイは中国当局の求めに応じ、7月28日のデモに参加して暴動罪で起訴されたパイロットや、個人情報を漏らした地上職員ら合計4人を解雇した。親会社のスワイヤパシフィックも「香港政府を強力に支持する」と表明し、事態の収拾を急いでいた。
ホッグ氏は従業員に向けたメッセージで「重要な市場である中国で、会社の評判とブランドが大きな圧力にさらされている。現在の状況に責任を負う」などと述べた。キャセイは経営体制を一新することで、中国当局の指示に従う姿勢を鮮明にしたとみられる。
2019-08-16 10:51:00Z
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO48648490W9A810C1FF8000/
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